検視とはどのようなものなのか、貴方は知っていますか?


テレビドラマなどでよく耳にする言葉であることから、事件現場に警察官がたくさん到着する・・・そんな場面を思い出すことがありますが、実際はどんなことをしているんだろう、と不思議に思ってしまうことが多いのではないでしょうか。

あまりよく知られていない検視やそれに関わるものごとについて、順番立てて話していくことで、詳しく知っていくことができると思います。


今回は読み終われば自然と知ることができる、検視という仕事やそれに関わるものごと、求められるこれから先の展望などについて、くわしくご紹介いたします。


この記事を読むことで、検視の流れを追いつつ、あまり知られていない検視の種類や実際、検視の費用、検視後に生じる解剖の種類やそれに関する様々な疑問点、検視官という仕事についてや検視体制の実状とこれからの展望まで、幅広くしっかりと知ることができます。


ぜひこのページを読んで検視についての知識を深めてくださったらと思います。


-- この記事の目次 --

1検視とはどういうものか知っていきましょう!

2行政検視と司法検視について知っていきましょう!

3検視後に生じる解剖について知っていきましょう!

4検視にかかる費用はいくらくらいになるでしょうか?

5検視官について知っていきましょう!

6検視体制の現状と今後の展望を知っていきましょう!

7まとめ

1検視とはどういうものか知っていきましょう!


出典元:http://www.ashinari.com/2011/10/09-351262.php

テレビの刑事ドラマなどで良く耳にすることができる、検視・・・単語自体を知ってはいても、実際にどういうものなのかを知っている人は少ないでしょう。

検視とは、刑事手続きの一種です。

アメリカでよく言われる「検死」とは、少し違いますので気をつけましょう。

 

1-1検視とは何でしょうか?

ご遺体の中でも変死体(医師の判断では自然死であるか不明で、原因が犯罪であるかまたはその疑いがある死体)を検察官やその代理人などが医師の立ち合いの上に状況を検査して、犯罪性があるかどうかを確認する刑事手続のことを指します。

検視は、刑事訴訟法第229条(※)に基づいて行われます。

※刑事訴訟法第229条とは

変死者又はその疑いのある死体があるときは、その所轄の検察官は検視をしなければならないという決まりです。

この検視は、検察事務官や警察官が代わりに行うことができるという内容となっています。

検視にも規則が存在します。

検視の際、検視規則第6条で以下のことを綿密に調査しなければならないと定められています。

1変死体の氏名、年齢、住居及び性別  

2変死体の位置、姿勢並びに創傷(傷跡などのことです)そのほかの変異及び特徴  

3着衣、携帯品及び遺留品  

4周囲の地形及び事物の状況  

5死亡の推定年月日時及び場所  

6死因(特に犯罪行為によるものかどうか)  

7凶器その他犯罪行為に供した疑いのある物件  

8自殺の疑いがある死体については、自殺の原因及び方法、教唆者、ほう助者などの有無並びに遺書があるときはその真偽  

9中毒死の疑いがあるときは、症状、毒物の種類及び中毒するに至った経緯  

よって、検視が終わるまではご遺体を動かすことはできなくなります。

 

1-2検視とは誰がするのでしょうか?

刑事訴訟法第229条によって、検察官かまたは代行者として検察事務官、刑事調査官や検視官と呼ばれる特殊な訓練を受けた司法警察員が行なうことができると定められています。

検視には鋭敏な捜査への感覚と高度に専門的な法医学の知識が必要とされているためです。

しかしながら、実際には、検視が必要なご遺体を全て検視するには、検察官の数も検視官の数も足りていないことが多いため、ほとんどの検視は一般の司法警察員(警察官)が行なう代行検視となることが多いのが現状のようです。

 

1-3検視の対象となる場合って?

ご遺体が全て、検視の対象となるわけではありません。

検視の対象となるのは、担当の医師が死因が判断できず、死因が犯罪によるものか、またはその疑いがあるご遺体の場合です。

つまり、お亡くなりになった場所が病院であるときは、医師が診て死亡診断書を書かれますので検視は必要ではありません。

自宅でお亡くなりになった場合には、すでに息が絶えていることが分かっていたとしてもすぐに医師または警察に電話をしましょう。

その際、かかりつけ医がいる場合といない場合とで違ってきますので注意しましょう。

かかりつけ医がいる場合は以下のようになります。

・診察後24時間以内に治療に関連した病気で患者が亡くなった場合には、改めて診察をする必要はなく、医師が死亡診断書を交付できます。

この場合には、検視の対象にはなりません。

・医師が診療中の患者が亡くなった際に現場に立ち会っておらず、また診察後24時間が経過した場合には、医師は亡くなった患者を改めて診察する必要があります。

診察の結果、治療中の病に関連した死亡であると判定できる場合には、医師は死亡診断書を交付することができます。

この場合であっても、検視の対象にはなりません。

・診療中の患者が亡くなった後に医師が改めて患者を診察し、診療中の病に関連した死亡であると判定できなかった場合には、ご遺体の検案を行う必要が出てきます。

この場合において、死体に異常が認められる場合には、医師は警察に届けなければならないことになっています。

この場合に限り、かかりつけ医がいても、警察による検視の対象となるのです。

かかりつけ医に連絡がつかなかったり、かかりつけ医がいない場合には、近くの病院または警察か救急車に電話で連絡をとります。

駆けつけた医師や監察医が診察を行い、死因に異常がないと判断されれば死亡診断書が交付され、ご遺体の処置の許可がでます。

この場合には検視の対象にはなりません。

死因に異常があると判断された場合には、警察による検視の対象となります。

死因に異常があるとされる場合とは、具体的に以下のような場合があげられます。

・法令に指定された感染症による死、中毒死の疑いがある場合

・溺死、事故死、災害死、自殺などの場合

・殺人、過失致死などの犯罪死、あるいはその危惧がある場合  

1-4検視の実際

自宅で倒れている家族の方を発見したら、救急車を呼びたくなるところですが、残念ながらお亡くなりになっていた場合には警察署に連絡することになります。

検視が終わるまで、ご遺体を動かしてはいけません。

検視規則第4条により現場の保存をするように定められているからです。

事後の捜査や身元調査に支障をきたさないような保存をすることが求められるので、例えばご遺体をドライアイスで冷やす、逆に暖房などで温める、など死亡推定時刻の測定に影響するような処置を行ってはいけません。

体温なども検視の調査書に記入することになっているためです。

検視を行っても死因が不明なときや、犯罪性が認められるときは検視だけで留まらずに次の手続きに進むこともあります。

一つずつ見ていきましょう。

2行政検視と司法検視について知っていきましょう!


出典元:https://www.pakutaso.com/20121043291post-2042.html  

検視には大きく分けて行政検視と司法検視というものがあります。

それぞれについて見ていきましょう。

 

2-1司法検視とはどういうものでしょうか?

司法検視とは、刑事訴訟法第229条に基づいて定められた、変死体や変死の疑いがある遺体の状況を調べ、それが犯罪によるものかどうかを確かめる処分のことです。

ちなみに司法検視については、捜査ではないので令状は必要ではありません。

 

2-2行政検視とはどういうものでしょうか?

行政検視とは、警察等が取り扱う死体の死因または身元の調査等に関する法律4条に基づき、凍死者や自殺死体などに対して、公衆衛生上や身元の確認をするためなどの行政上の目的のために、犯罪と関係なく警察官が行う死体の見分のことを言います。

はじめに行政検視にまわされたものが、のちに司法検視に移ることもあり得ます。

 

2-3検視が行われたその後はどうなるのでしょう?

検視が行われた後、医師による検案(※)の結果、死因が病死・自殺・事故死などであると明確になり、かつその死因に犯罪性がなければ立ち会った医師から死体検案書が交付され、ご遺体はそのままご家族のもとに帰されることになります。

※検案とは

検案とは、検視とは別に行われる監察医や法医学研究室などの医師が、自宅などの病院以外で亡くなった変死体またはその疑いがある死体の外見から死因を判断することです。

これらは人の死亡を医学的・法的に証明する目的で行われるもので、その結果として「死体検案書」が作成されます。

一方で、検視を通じて犯罪による死亡が明らかになった、またはそれが疑われる場合や、犯罪によるものか判断できない場合には、捜査が開始され鑑定処分がなされます。

その後、場合によっては医師に鑑定を依頼し、鑑定処分許可状に基づいて「司法解剖」を行い、死因の特定を急ぐことになります。

3検視後に生じる解剖について知っていきましょう!


https://www.pakutaso.com/20120858244post-1893.html

検視後に生じる解剖には、その検視の結果によって2種類の場合があります。

解剖の対象となるご遺体は主に以下の3つに分類されます。

A、犯罪行為の結果による死体

B、犯罪行為による結果の死の疑いがある死体(変死体)

C、犯罪行為の結果による死ではないけれども、公衆衛生上など行政上の目的から解剖の必要がある死体  

Cに分類されていたのが検視の結果AやBになるということもままあるようです。

 

3-1行政解剖とはどういうものでしょうか?

上記、Cに分類される非犯罪死を遂げたご遺体を、公衆衛生上や身元の確認などの行政上の必要性に迫られて解剖するものです。

 

3-2司法解剖とはどういうものでしょうか?

上記AやBに分類される、犯罪死または犯罪死の可能性があるとされるご遺体を、犯罪捜査の必要性から、死因を特定するために刑事訴訟法第225条(※)に基づく鑑定処分許可状により解剖をするものです。

※刑事訴訟法第225条とは

検察官や検察事務官又は警察官は、鑑定の嘱託を受けることができて、裁判官の許可があれば、建物への侵入や身体検査や死体の解剖ができるようになるという内容です。

もしも火事や事故、一人暮らしをされていた方で、身元が不明な場合にはDNA型の鑑定や歯型や歯の治療痕などで身元を特定する必要があり、さらに時間が必要となります。

 

3-3監察医解剖と、遺族の同意が必要になる承諾解剖とはどういうものでしょうか?

(1)監察医解剖

監察医解剖とは、犯罪による死が原因でないことはわかっていても、公衆衛生上の目的から死因を詳しく特定する必要がある場合に、監察医が置かれている地域において、死体解剖保存法第8条(※)に基づいて、監察医が行う解剖のことです。

※死体解剖保存法第8条とは

都道府県知事は、その地域内で発生した伝染病か何かの中毒か災害により死亡したかその疑いがあったり死因が不明な遺体について、死因を明らかにするためであれば解剖をさせることができるというものです。

 

(2)承諾解剖

承諾解剖とは、監察医の置かれていない地域において、解剖をしようとしたならば基本的には遺族の承諾を受けなければならないというものです。

承諾解剖が行われる場合とは、病気で亡くなった人を対象として、臨床診断の妥当性や治療効果の判定、直接の死因の解明、続発性の合併症や偶然病変の発見などを目的に系統的な解剖を行うことです。

死体解剖保存法の第7条とは、死体の解剖をする際には、故人の遺族の承諾を受けなければならないという決まりのことです。

しかしいつでもどんなときにも必ず遺族の承諾が必要かというとそうではなく、医師が早急に解剖をする必要があると認めて、かつそのご遺体にご遺族が見つからないか、いても著しく遠方にいて、その返事を待っていては解剖の目的が達せられなくなってしまうような危急の場合などには遺族の承諾を得ずに解剖をしても良いと決められているものです。

 

3-4解剖にかかる時間とご遺体返却の目安

病理解剖がなければ、死後の処置を含めて約2時間程度でご遺体は返却されます。

病理解剖を行う場合には、深夜や休日などの場合解剖ができる病院が限られるため、ご遺体の返却に日にちが空く可能性が出てきます。

病理解剖自体にかかる時間は、3時間程度です。

行政解剖の場合、監察医の制度が実際に機能しているのは、東京・横浜・大阪・神奈川・神戸で、類似の制度が機能しているのが茨城・埼玉・沖縄・東京多摩地区となります。

行政解剖に回った場合は大体1日がご遺体が戻ってくるまでの時間に追加されると考えた方が良いでしょう。

司法解剖の時は司法検視の後に司法解剖となります。

この場合、死因の解明や事件性の内容などによって、時間がかなりかかることもあり得ます。

解剖時間自体は3時間程度ですが、場合によっては日にちをまたぐ可能性が大きいことも知っておいた方が良いと思います。

 

3-5解剖の実態

警察における遺体の取り扱い総数と解剖の総数は年々増加する傾向にあります。

しかしながら、警察で取り扱われるご遺体の総数が1年に約17万体あるのに対して、司法解剖が行われるのはそのうちの約8,000体前後、行政解剖が行われるのがそのうちの約11,000体前後となっています。

つまり、全ご遺体のうち、解剖される割合は約11%前後と決して多くないのが現状です。

また、都道府県別の解剖数を見ると、監察医制度が置かれており、専門の解剖機関が存在する東京都・神奈川県・大阪府及び兵庫県の解剖総数が約12,400体と全国の解剖総数の約65%を占めており、平均解剖率も約23%に達しています。

それに比べ、その他の地域における解剖総数は約6,700体で、平均解剖率はわずか5.8%にとどまっているのが現状です。

また、行政解剖の95%はほぼ上記の専門機関がある都道府県に集中しています。

それ以外の都道府県においては、司法検視と行政検視及び検案の結果、犯罪の疑いが認められない限り、解剖されることはまれであるという実状も見過ごせない点です。

上記のような実状があるのは、犯罪死が少ないからで解剖する必要性が少ないためだという考え方もあります。

しかし、実はそうではなく、死因について誤った事案、つまり解剖が実施されていれば犯罪死であると認められたであろう件が毎年数十件発生しています。

また、犯罪死ではないとされたご遺体であっても、行政解剖の結果2,700体に1体ほどは犯罪による死亡であったことが確認されたりもしており、数は少ないものの年に数件は同じような犯罪死の見逃しが生じているのは確かな事実です。

さらには、上に記載した通りに監察医制度や監察のための専門機関がない都道府県においては犯罪による死ではないと判断された場合、行政解剖をされることはまれであるため、表ざたにはなっていないものの、犯罪死の見逃しが存在する可能性はかなり高いと言えます。

 

4検視にかかる費用はいくらくらいになるでしょうか?


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検視にいくらくらいかかるのかということは、なかなか知るきっかけがないと思います。

検視にかかるということは、大抵の場合そのご遺体が医師に看取られることなく、突然死や事故死、あるいは犯罪によっての死かその疑いがある死に方をしたということだからです。

検視が行われる場所によっても、その費用はだいぶ違ってくるので、以下で説明していこうと思います。

 

4-1東京23区の場合

基本全て公費で賄われますので0円です。

死亡場所から、その管轄の警察署にある霊安室に移送されます。

その警察署に検視官がやってきて、検視を行います。

そこで事件性や犯罪性などが認められれば東京都監察医務院へ移送されて、解剖となります。

その後、希望場所まで送ってくれます。

ご遺体の移送費用も解剖費用も、死体検案書の料金も全て公費でまかなってもらえるので費用はかかりません。

 

4-2東京の市など

検視にかかる費用は、一部負担となります。(診断書料など)

市によりまちまちで違いがありますが、死亡すると、管轄の警察署にある霊安室か病院にある霊安室に移送されて検視が行われます。

そこで死因を特定できない場合は、解剖が可能な施設のある病院などに移動し、解剖が行われます。

その市により、解剖の担当医から死亡検案書料などを請求されることもあるようです。

 

4-3搬送の費用などが遺族負担になる都市もあります

どこまでがご遺族の負担になるかはその都市によっても差がありますが、全額自己負担という都市も存在します。

死亡場所からの移送、検案、検視を行うところまでの移送を葬儀社が行うような場合です。

この場合、全てがご遺族の負担となり葬儀社から費用の請求があります。

検視や検案の費用もご遺族の負担となり、検視で5万円、検案で10万円を請求される場合もあります。

よって、一回目の寝台車料金と霊安室保管料金、二回目の寝台車料金、解剖費用、三回目の寝台車料金すべてをあわせて30~50万円かかってしまうということもあるようです。

検視の場合で移動回数や時間が短い場合は10~20万円ということもあるようなのですが・・・葬儀だけでも何かと大変なのに、警察の勧めた葬儀社に頼んだらいきなり数十万円を請求されることになってしまうと、困ってしまいますよね。

ですから自分の家族の方が検視をうけることになった際には警察の方や葬儀社の方にいくらぐらい必要なのかをあらかじめ問い合わせておくことをお勧めします。

5検視官について知っていきましょう!


出典元:https://www.pakutaso.com/20160629180post-8259.html

検視官とは、検視を行う人のことです。

名前自体は時折テレビや小説などで目にすることができますが、実際にはどうやったらなれるのか、仕事はどういうものがあるのかなど、細かい実態はほとんど知られていません。

以下で説明をしていこうと思います。

 

5-1検視官とはどういう方のことでしょう?

検視官とは、変死または犯罪死の疑いのあるご遺体の検視を行なう警察官のことを言います。

各都道府県の警察本部の刑事部に所属しています。

 

5-2検視官にはどうやったらなれますか?

検視官になるには、以下の3つの条件をすべて満たしている必要があります。

・10年以上、刑事として勤務していること。

・警察大学校において、法医学の専科を修了していること。

・警視、警部以上の階級にあること。  

そのため、23歳の大学新卒で警察官に採用された場合、どんなに早くても35歳くらいからしかなることができません。

最短で警部になったとしても31歳ですが、その場合は刑事として10年以上勤務しているという項目を満たせていないため、まだなれません。

また、これは都道府県によってもなれる年齢には差があります。

検視官の枠自体がまだまだ少ないということもありますが、仕事に高い専門性が要求されるためという意味も含んでいます。

検視官とは、豊富な経験を積んだ方がなることを望まれる、そんな職なのです。

 

5-3検視官の仕事とはどういうものでしょうか?

検視官の仕事とは、人が亡くなった事案において、事件性の有無を判断することです。

殺人や傷害致死、強盗致死やひき逃げといった事件なのか、自殺や病死なのかを見極めるものです。

刑事訴訟法第229条にもとづいて、犯罪の嫌疑の有無を明らかにするための刑事手続きとして行う検視は、現場検証の一つであり、捜査の一環として行われるものです。

事件かどうか不明の変死体が出た場合に、現場に実際に足を運んで調査を行います。

同じように現場へ行き調査をする鑑識官と違う点がいくつかあります。

一つは、鑑識官は現場資料を採取して記録しますが、検視官は事件性の有無やどのような原因で死亡したかを見極めるのが仕事である点です。

もう一つは、鑑識官が死亡が絡まない窃盗の現場などにも行って指紋の採取をするのに対し、検視官は死体のある現場が基本となる点です。

しかしながら、変死体の疑いがあるご遺体というのは、毎日のように発生するわけではありません。

その間どのような仕事をしているのかといえば、過去の資料を読み込み、検視に関する判断力をブラッシュアップするのが主な業務となります。

過去に起きた事件の資料は永久保存となっており、いつでも読み込むことが可能です。

様々な事例を頭の中に入れ、現場で活用できるようにするのです。

 

5-4異動もある検視官、人数はまだまだ不足しています!

検視官というのは警察署の規模にもよりますが、数名から十数名程度のチームで、トップは首席検視官と呼ばれ、階級は警視が一般的で、他の検視官が警部クラスという形です。

地方公務員になるので、同じ都道府県内の警察署内で異動もあります。

首席検視官として2年から3年務めると、警察署長などに異動することも多く、ずっと同じ任務を行うとは限りません。

 

6検視体制の現状と今後の展望を知っていきましょう


出典元:https://www.pakutaso.com/20170351066post-10551.html

検視体制の現状やこれからの展望には、様々な問題が存在します。

検視が行われる率はまだまだ低いのです。

 

6-1さまざまな不足に悩む!検視体制の実状とは?

検視官はご遺体から犯罪の兆候や証拠を読み取り、解剖医にそれを伝える重要な仕事をする人たちです。

しかしながらその人数はと言えば、自然死以外で死亡する人が年に17万人以上いるのに対し、検視官は全国に200~300人前後と、そのすべての案件を捌くには到底足りない状態にあり、深刻な人手不足が指摘されています。

 

6-2検視対象の拡張とその場合の問題点について

犯罪死の見逃しを防止するために、検視対象を拡張すべきだという提案もすでに出されています。

過去に見逃しなどが発生した事案から考えると、これまでも検視の対象として扱われることの多かった焼死体、腐乱死体、白骨死体、身元不明死体に加えて、窒息死の疑いのある死体、外傷のある死体、中毒死の疑いがある死体、病死の疑いのある若年者の死体については、原則として検視を行い、その上で各種の検査や調査を行うことが望ましいでしょう。

しかしその一方で、上のように運用する場合には、年に約6万体を検視として取り扱うことになります。

検視対象としては実績の3倍以上の数を取り扱うことになり、事務量が膨大になってしまいますので、事務処理の合理化についての関係機関による対策が必要になってきますし、検視官の人数もまだまだまったく足りていないという問題が発生しています。

 

6-3検視官の増員状況などについて~犯罪を見過ごさないために

犯罪の見逃しを防ぐためには、警察が取り扱うすべての死体について検視官が現場へ行き、見逃しがないように検視を行うことが一番なのですが、これまで上記してきたように、検視官の人数は検視対象に比べてまったく足りておらず、また早急にそれを可能とするのも難しい状況です。

この問題を少しずつでも解決するために、いくつかの対策が提唱されています。

一つは、検視官が現場に来ることは不可能でも、その変死体を取り扱う警察署の警察官から、死体とその周りの映像を検視官に送信し、その指示を受けるなど、警察署の現場捜査員と検視官との間の連携を強めることです。

もう一つは検視官の数の増員、検視官補助者の増員(800名前後)、検視官用の車の拡充など、純粋に人数や車を増やし、検視官がスムーズに現場にたどり着けるようにするというものです。

7まとめ


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検視というものの内容や流れ、その後の解剖や、実態、検視や解剖にかかる費用や検視官という仕事についてまとめてきました。

全体的に普段あまり知ることのない分野ではあります。

ですが、検視官や監察医の人数の少なさなどで、たとえ本当の死因が犯罪による死であったとしても、解剖が行われなかったがために犯罪の見逃しが年に十数件、もしかしたらもっと多く起こっているかもしれないという点を考えれば、他人事で済ませて良い話ではありませんよね。

このページを読んでいただくことで、これまでは漠然としかわかっていなかった検視について、より知識や関心を深めていくことができると思います。

少しでも役に立てたなら、幸いです。